風と共に干からびる
更新状況とか日記
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目指せ自転車マスター!~始動篇~

自転車整備士というものをご存知でしょうか。

国だかどっかから自転車を整備・点検することを認められた資格で、これを持っていると将来個人で自転車屋や修理屋を開業する時にかなり有利になるようです。(うろ覚え)

自転車というのは、運転中にもし何かあった場合、たとえば突然ペダルが外れてしまったりしたら、人身に関わる事故になる可能性があるので、本来はちゃんと整備士免許を持った人が整備した自転車以外には乗ってはいけないことになってるようです。

ところで、うちのバイト先の自転車売り場などは山本のおっさん一人しか持っていません
だからっていうわけじゃないですが山本さんは日13時間労働、週7出勤という労働基準法もクソもない仕事っぷりをすることがザラにあります。

そのせいか、ぎっくり腰や、お尻から血がでる病気や、おしっこに糖が混じる病気など様々な特殊能力を身に着けていく山本さん。

もはや生きているのが不思議なくらいです。

バイトである僕は、バイト中に仕事サボって漫画書いたりホウキをギターに見立てて歌をうたっているという地獄絵図

ああ、山本さん(48歳独身)に幸あれ。



まあどうでもいいですよね、そんなことは。



先日仕事場に修理屋のお兄さんが遊びに来ました。

お兄さん「KojiKoji君、きみは整備士免許取らないの?」


お兄さん「KojiKoji君、きみは整備士免許取らないの?」

僕「うーん、めんどくさいし、自転車はバイトでやってるだけですからねぇ……それにめんどくさいし……」

お兄さん「でもさ、試験はすごい簡単なんだぜ。実技と学科があるんだけどさ、実技なんか後ろ車輪のスポーク組みさえできれば楽勝だぞ」

僕「え!?ほんとですか?」

どうやら話によると、実技試験というのは、ほぼバラバラに分解された自転車を1時間半以内に組み立てあげるだけのようです。
組み立てる、というのは難しそうに聞こえますが、基本的にパーツのナットを順番どおりに締めて行くだけなので、さほど難しいことではありません。

一番の難関はスポーク組みです。スポークというのは車輪の中央から外へ向かって放射状に取り付けられている細い棒のことで、このネジの締め付け具合によっては車輪がガタガタにぶれて使い物にならなくなったります。
1ミリの誤差を争う精密な作業であり、実技試験の合格如何はこの作業のでき次第だといっても過言ではありません。

お兄さん「スポーク組みなんて山本さんに教えてもらえばいいじゃん。あの人整備の腕だけは異常に上手いし」

僕「うーん……たしかにスポークくらいだったら……。でもなぁやっぱり面倒くさいし……」

お兄さん「しかもなぁ整備士の免許持ってたら時給もかなり上がるみたいだよ。俺の行ってるところのバイトなんか、800円から1100円に上がったみたいだぜ」



な、なんだってー!?



免許を取るだけで300円も時給があがるのか!
僕は一日8時間、月に16回バイトに入ってるから……えーと、3万くらい?でいっか。

3万も給料が上がる計算にッ!

今だいたい6万くらいもらってるから、毎月10万くらいの給料になるのか!
漫画を書いたり、ホウキで歌をうたってるだけで!

これは美味しい!!



僕「その試験、受けないわけにはいかないようですね

お兄さん「おお、やっぱ時給上がるのはいいよな」

僕「何言ってるんですかそんな下らない理由で試験をうけるわけないでしょう!
自転車を買っていくお客さんの安全のため
、ひいては日本の交通安全の未来を願って
一個人として清く正しく何か役には立てないかという善意に基づいてですね、(略)

それよりお兄さん、そんな簡単な試験で美味しいことがあるのに、なんで未だに整備士免許持ってないんですか?」

お兄さん「俺はなぁ学科で落ちちまったんだよ。実技はパーフェクトだったのによ」

僕「ははぁ、去年から学科が難しくなったらしいですからね」

学科の試験は、去年から難易度がかなり上がり、実技の準備しかしていない人たちはかなりの数が落とされたと聞きます。

お兄さん「まぁそれは俺が馬鹿だったからだろ。普通は大丈夫なんじゃない?」

お兄さんは若い頃色々やんちゃだったようで、掛け算が出来れば入学できるという高校に行っていたそうです。国語のテストの『<きびしい>の反対語を書きなさい』という問題に対し、容赦なく『いしびき』と答えたほどのツワモノです。

お兄さん「なんかさ、数学の問題とか出て来るんだよ。俺掛け算はできるけど、分数の割り算とかはできねーんだ!今年は今から勉強だよ畜生」



よし、学科は大丈夫くさい。



問題はスポーク組みくらいですが、試験まではあと4ヶ月あります。山本さんに仕込んでもらえれば十分いけそうです。

早速受験の手続きをしに上司さんの所へ行きました。

上司「KojiKoji、受験料は2万5千かかるが大丈夫か?」

僕「え、そんなにかかるんですか?」

上司「ああ、でも一発で合格すると受験料は返還されるみたいだから、合格する自信があるなら大丈夫だな」

僕「あ、それならだいじょーぶっす!必勝っすよ!はっはっは!



スポーク組みさえ出来てしまえば受かる実技試験。分数の割り算がでるような学科問題。

バイト中に漫画書いてるだけで時給1000円超という夢のような処遇。

アクア原宿で髪の毛を切ってからというもの、僕はツキまくっています。
今の僕なら、たとえ迷子の女の子に話しかけたとしても激泣きされることはないだろう。
せいぜい半べそで親の名前を連呼されるぐらいですむはずだ。
それくらいウン気が向上している。


やばい、やばいぞ!僕は今猛烈に感動している!


上司「じゃあ手続きやっておいたぞ、去年の試験問題ここにおいて置くから気になったら見とけよ」

僕「はーい、ありがとでっすー!」

テーブルには上司さん直筆の問題集がおいてありました。

くくく、どれどれ、数々の試験者を奈落へ落としたという問題を見せてもらおうじゃないか!


分数の割り算とやらをな!


『問い1

平路において26インチの一般シティ車のペダルを一回転させたとき、自転車の進む平均距離を答えよ』



へ!?


これ数学?割り算は?分数は?

ていうか問題これだけ?なんかヒントとかないの!?

理解不能理解不能理解不能理解不能!



30分考えました。

駄目だ、まるで分からん。もしかして、実はペダルを反対方向へ回したとか!?
だから車輪は回らなくて、結局1ミリも進まなかった、とか……!

そうか、これは引っ掛け問題だったのか。数学と見せかけて解答者の機転と判断力を競う……。
常の思考の裏の裏を行く、恐ろしい悪魔のような問題です

一人納得していると、そこへ山本さんが現れました。

僕「山本さん、見てくださいよこれ。ひどい引っ掛け問題っすよ!ペダルを反対方向へ回すっていうトリックなんですけど、まあ僕にかかればこれくらいは」

山本さん「はい?何言ってるんですか?これは26インチ自転車のタイヤの直径から円周を求めて、ペダルのギア比から車輪の回転数を割り出して推進距離を測る問題ですよ。まったく」

僕「へ?直径?円周?ギア比?」

山本「まったく何が反対方向へ回す、ですか、寝言は寝てから言ってくださいよ。もう」



なんてこった、さっぱり意味プーです。山本さんの言ってることが日本語に聞こえません。
今日は加速装置状態じゃないのに!

どうやら問題中では、26インチのタイヤの径だとかなんかの数値は、すでに知っていることとして扱われているようです。

こりゃ皆、落ちるわ!ふつー知らねーよ!

なんてこった、やばいぞやばいぞ、このままでは学科が危ない!
そう思って問題集を良く見てみると、下のほうに『セミナーのお知らせ』と書かれています。



『セミナーのお知らせ

学科や実技が不安な方も大丈夫!下記の期間により、自転車整備士免許試験のための対策セミナーを実施しております。去年から難しくなった学科試験も、これでバッチリ予習しておきましょう。授業料は無料です』



なんと!こんな親切なセミナーがあるとは!わざわざ『去年から難しくなった学科試験』と言っているあたり、僕のようなアホどもが各地から集まってくることでしょう。助かった……。これで一安心……

そう思っていたら、文章に続きがあるのに気が付きました。



『セミナー実施期間

6月13日、6月20日、6月27日……以下毎週火曜日、12:00~17:00』




なるほど、毎週火曜の12時から17時か……



って、僕、その時間 普通に大学があるじゃねーーかッ!
注:夏休み前の日記です


なんてこった……ツキがきてるどころか裏目に出っ放しだ…。

僕「くそう……僕の時給アップが……夢の年金生活が……

山本さん「時給アップ?なんですかそれは?

僕「え……。整備士免許を持っていると自給が上がるってお兄さんが……」

山本さん「ああ、他のお店じゃそういうことがあるみたいですね。でもうちはほとんど変わりませんよ

僕「へ?」

山本さん「月の給料ちょっとあがるだけですよ。たしか1000円くらい

僕「へ?」

山本「まあ給料アップには違いないですからねぇ。時給に直すとしたら8円くらいじゃないですか?8円アップ

僕「な、なんだってー!?」



なんてケチなんだこの店は!いや、それよりも、僕は既に受験手続をしてしまった。

受験費用2万5千もかかるのに!一発合格じゃないとお金返ってこないんだっけ!?どうしよう合格する気まんまんでいたのに!学科問題は全然簡単じゃねーし!

しかも受かっても時給8円アップかよ!



僕の目の前で希望という名の道がガラガラと音を立てて崩れていきます。



ああ、世の中そんなに甘くなかった……。



試験まであと四ヶ月。KojiKojiの不毛な戦いは始まったばかりである……。


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